これは魚介類のグラタンさいまき海老、サーモン、アワビ、ハマグリ、カジキマグロ、ブロッコリ、絹さや、グリンピース、人参、ソース・ブール・ブランにソース・オランデーズを合わせてサラマンダーで焼いたものです。グラタンというとホワイトソースで作ったのが普通ですよね
20歳くらいの時に小田原のフランス料理屋さんで食べたシーフードグラタンが衝撃でした
値段はいくらだっけ?多分3000円くらいだったと思います、レストランはもうありませんが中町の「ビストロ・ベーボ」です。フジヤホテルの料理長だった方ですよね
あまりの美味しさに作り方聞いちゃいました、丁寧に教えてくれましたよ。
当時はイタリア料理を勉強している頃でフランス料理はもう一段上の世界だった気がします
上の料理はアンコウの型寄せですね、エイなんかも申してテリーヌみたいにします
ごく弱火で加熱していくとゼラチンのようなものがたくさん出て固まるのです。
ソースピストウになってるから海老のだし汁ソースにみじん切りの野菜が刻んであるんですね、フレッシュのタイムの香りを生かしてます
下のはハマグリって書いてあるーーそれも漢字でーー
作り方も日本語で書いてありますね。野菜のだし汁で茹でる、エシャロット、クールジェット、ネギの赤いのと黄色いのでマリネしたんだってさ(自分で書いているから懐かしいです)
イタリア料理とフランス料理の違い
話し出すとそれは長く話しちゃいますが、それは昔の話で今は個人個人の考え方で自分の土地の料理に自分の哲学をプラスした新しいイタリアであってフランスなんだろうと思いますが、今回話をするのは週10年前に感じたことです
昔、ローマでイタリア料理研修というのがあって参加していたことがあります1980年くらいです
スーゴ・ディ・カルネというソースがあって子牛の骨や筋を焼いて、玉ねぎ人参ニンニクセロリを焼いてトマトを一個入れて数時間煮込んで裏ごしするソースです。その時の料理長はあまりアクを引かないのです。でもスッキリして旨味があってソースとしては抜群でした。
でーー話が10年ほと後になりますがフレンチの料理長は暇さえあればアクを引き、ストーブ前から離れないでソースを作っていました。出来上がったソースはクリアで肉のソースになった時にソースが光っていました。そのソースも赤ワインの渋みと深みにトリュフの香りがありそれは美味しかったです。アクが残っているとこんな綺麗なソースはできないんだと言ってました。
上がイタリア料理で下がフランス料理?でどちらが最高???
自分が思うにどちらも最高だと思います。上のイタリア料理は素材が違うのです、この厨房に届けられる肉や筋や骨は生後数ヶ月の子牛で育て方も違う上等の肉なのです、なのでアクを引かないのじゃなく引いているのだけど成牛のようにいつまでもアクを引かなくていいのです。
そして下のフランス料理は成牛だからアクを引き続けている??成牛だからだけじゃなくて、彼の料理に対する姿勢がアクを引き続けるということなのです。彼はソースを作っている段階でお客様に料理を出して食べていただいている姿が見えていたのだと思います。
だから最高の仕事をするという意味でひたすらアクを引いているのだと思います